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要PC閲覧 ちょいグロ これ読んでるうちに学校行きたくなりました(笑) ドリブル
葵は体育館横の、倉庫にやってきた。
昨日この辺に、ネックレスを置いてきてしまったのだ。
ごそごそとネックレスを探している葵の耳に、チャララ…という金属がぶつかる音と、少女の声が入った。
「仁科さんの探し物って、これ?」
その声は朋子のものだった。彼女は取り巻きと一緒に立っていた。
あのネックレスが朋子の手にあった。しかし葵が受け取ろうとすると、投げられた。
朋子はこう言い放った。
「お前、いつもうざいんだよ!」
葵には心当たりなんぞ全くなかった。
「うざいってどこが!?」
すると取り巻きの一人が口をあけた。
「お前いっつも自分ひとりで決めるし。」
彼女に続いて他の取り巻き達も口をあけだした。
「都合の悪いときは先公まで操ってまで自分の意見に従わせようとしてる~サイテ~。」
「アハハハハハハ。」
葵にそんなことをやった心当たりは全くなかった。それに、カネ渡すなんて朋子がいつもやってることじゃないか。ただ自分はこのクラスの総務をやっているだけなのだ。そう思った葵はこぶしを強く握り締めた。
朋子たちは、手を叩いたりしながら、しばらく葵を中傷する事を楽しんでいた。
怒りが収まりきらなくなった葵は反論した。
「あんた達のやってることだってサイテーじゃ…。」
しかし、朋子が葵の上に足を振り下ろしてたのを皮切りに、葵の体の上をいくつもの足が上下した。
痛みに我慢できなくなった葵は体育館のほうへ走っていった。
その様子を朋子達がこそこそと話し合っていた。
「あいつ救いようのないバカだね。あの扉外から押さえているのにさあ。」
「ホント、総務失格って感じ~。」
と、その時だった。2人の少女の悲鳴が上がった。
辺りは騒然となった。それとともに、さっきから響いていたバスケットボールを突く音がやんだ。
その隙に葵は逃げようとした。それに気づいた別の一人が追いかけようとした。葵がドアを開けたとたん、彼女だけでなく、朋子や他の取り巻き、そして葵も凍りついた。
体育館の真ん中に、ぽつんと一人の男の子が立っていた。自らの首を抱えたまま。しかも、その辺の床や棚に見覚えのある顔をした生首が転がっているのだ。朋子達は、ヒステリーを起こして、体育館を後にした。
でも、葵に見えたのは、あの男の子だけだったのだ。そして前記の生首たちも、葵の目には見えなかった。いや、存在しなかったのだ。その場所には、ただのボールが転がっていただけだったのだ。
男の子は、首を戻してから葵に近づいていった。道具庫のバレーボールのネットのあたりをごそごそと探り出した。それから、ちょっとうれしそうな顔をした後、葵のネックレスを、彼女の首に優しくかけたのだった。
「…???」
男の子は首を元に戻してから、鏡を葵の前に出した。鏡の向こうにはネックレスをした葵が映っていた。
「……ありがとう……。」
男の子の笑顔は不気味さが全くなく、無邪気だった。葵は礼を言った後、道具庫を後にした。
帰り道、葵はこの学校の七不思議―7TABOOを思い出した。
―体育館でドリブル音がしているときは、人をいじめたりしてはならない。そうすると、一生この学校にあるボールすべてが生首に見えてしまう。しかも、その生首の中には自分のものもある。ちなみに、そのドリブル音は、ある少年の霊が自らの首を突いて出す音だという。 PR |
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