５４ 百物語

怪奇復帰作パート１
…これは最早ただのぼやきかもしれない

おいらの学校では夏休みに百物語をやるのが恒例だ。だけど、おいらは百物語なんて嫌いだ。
別に怖いわけじゃない。
あまりにもベタな話ばかりだからだ。花子さんに二宮金次郎、爪きりババアに人面犬に口裂け女。中でも口裂け女は四半世紀以上も前から語られてきた。
それと後もう１つ、使い古されている話がある。
「いじめられっ子の祟り」だ。死んだいじめられっ子が周りの人間を殺していく（もしくは虐げる）話で（時としていじめの傍観者やいじめに直接関わっていない人間が被害をこうむる事もある）、いじめられっ子の殺され方や、周りの人間の死に方や虐げられ方、固有名詞は話される度に変わっていく。で、テーマは『虐げられて復讐しても何もならない』だ。
おいらはこのテの話が一番苦手だ。おいらの高校の別のクラスで実際そういうことがあったからだ。面白おかしく話すのを聞くだけで、苦痛に思えてくる。
おっと、もう１００番目か。仕方ねえな。『ブスの末期』でもいきますか。