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「ああそうだよ、見ての通り俺は吸血鬼さ」
ヴィンセントはあっさりと自分の存在を話した。 「話してしまっていいのか、そんな事」 乙木はチョコレートを一つ取り出して、口にゆっくりと入れながら尋ねた。 「どうせばれるのなら早めに話した方がいいぜ」 「私は血を与えるべきだろうか」 「そんな事はしなくていい」 そう言いながら彼は病室を出た。 乙木は床にメモが落ちているのに気付いた。 メモには電話番号がしるしてあった。 乙木は早速携帯電話からかけた。(当然病院内の携帯電話は禁止である。乙木は周りに医療機器がないことを分かった上で使用したのだ。) 「はいもしもし。乙木と申しますが。」 「こんばんは、戸部です。うちの連れが勝手な真似をしたせいで…。」 ヴィンセントはしょんぼりした状態で孝也の肉体から抜け出していた。 「チョコ、ありがとう…」 「あ、いや、そんなあ」 「あと、さっき看護師さんから聞いたけど、退院明後日に決まった」 「よかったね」 乙木の顔から一瞬生気が消えた。 「明日、来れるか?」 「はい。」 孝也の明るい声が耳に入った。 消灯時間のあと、一本の電話が入った。 「はいもしもし。」 「あらあなたぁ、よかったわね、命に別条がなくて。」 優しそうな妻の声に、乙木の顔がほころんだ。 「今日は行けなくてごめんなさいね。」 「いや、いいよ、別に。退院明後日に決まったし。」 「じゃあ明日行くわね。」 「わかった。君の手料理が恋しいよ。」 電話のあと、乙木はしまったと思った。時間を聞くのを忘れていたのだ。 ヴィンセントは自分の身に手を出しはしないが、そうでない奴の場合は分からない。 しかも妻は大のお化け嫌い。 乙木は自らの行為に悔やみ、一晩中寝付けなかった。 |
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「……どうぞ」
ドアを開けたのは、パッとしない感じの少年だった。 「初めまして、戸部孝也と申します」 戸部はペコリとお辞儀をするとゴディバの黒い紙袋をファイルの近くに置いた。 乙木はもう一度戸部を見た。思い出せない。金髪の男に助けられた後気絶していたというのもあるのだが、彼を見た記憶が全くないのだ。こめかみに手を置いてそんな事を考えていた後、彼は顔を上げた。 戸部少年の黒い髪は金色になっていき、背も伸び体つきも華奢になってきた。 仏頂面のまま、乙木はこの変化を見つめていた。 「初めまして、ヴィンセント・ネッド・スターシブルと申します」 この時乙木は相槌を打った。 「ああ…あなたはあの時の」 「そうだ」 「…………あの時は、ありがとう」 「気にすることはない」 ヴィンセントが穏やかに笑ったその時だった。 「回診に来ました」 ノックと共に看護師の声がした。 乙木はベッドの側を見た。誰もいない。 看護師が怪訝な顔をすると彼は平穏を装った。 看護師が出ていった後、黒い蝙蝠がもぞもぞと掛け布団の下から出て来た。それからバサバサとドアの近くまで来ると、金髪の男―ヴィンセント・ネッド・スターシブル―へと変化した。 「お前―人間じゃないな」 |
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4月9日午後4時、乙木健三郎は病室の中で目が覚めた。当初はびっくりしていたが、目の前の豆大福の箱に付いたメモを見て何があったかを思い出しかけた―ああ、自分はトラックにはねられて……じゃあなぜ生きているんだ?―ふと、脳裏に一人の金髪男が自分を空中でだきかかえてるのがうかんだ
―ああ、そういうことか―乙木は一人そう呟くと窓に目をやった。 窓辺には、胡蝶蘭。『とっつぁんが生きててよかった!おいらたちも頑張ります!by日本橋ルイゼ&池口サヨコ』 ベッドのテーブルには、サイン入りのアニメキャラのファイルが何枚もあった。先ほどの日本橋ルイゼの他に、バンガード如月、佐藤菜月、南明等の名前が一枚のファイルに一人ずつ書いてあった。 そして、白い、腕の長さほどの箱の表面には『乙木さんの復帰待ってます!バタフライスタジオ一同』と書いてあった。中身は美少女フィギュアだった。この時になって、乙木は初めて笑った。一番好きなキャラだったらしい。 と、その時、誰かがドアをノックした。 |
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この人と聞くと即座にカゲマンのおまぬけ(失礼)怪盗デアールを連想する
一人称は確か我輩だったはず 『バイチュ~でアール』(アニメ本編中ではなくゲスト出演時のミニゲーム内の音声)はよく覚えてる ソニックXではカオティクス探偵事務所のベクター・ザ・クロコダイルを演じている 口調は荒いけどデアールらしさはある。(ていうかこの話は以前見た記憶がある) また、TFスーパーリンクでは今のところランドマインとオメガスプリーム(いずれもサ軍)を演じていることが確認できている(詳しい活躍は見ていないが、デアールやベクターとは違う感じのキャラと見た方がよいと思われる) 昨夜『アイデンティティ』というサスペンス映画を見てきたが、三宅氏の演技に申し分はなかった。(私が分かる他の吹き替え担当者は堀内賢雄、かないみか、江原正士、玄田哲章、大塚明夫、大塚芳忠、武虎) ********* お詫び:2/8放映された『ブレイド』のフロスト役の声優の予想が外れていた事をここに記します ※敬称略 |
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「なあ隆、校長の頭について考えたことあるか?」
朝会の最中、山口卓は前にいる小島隆に向かってささやいた。 小島は首を振っただけだった。 面白くないと思った山口は隣りの女生徒に先ほどの質問をした―結果は同じだった このM中校長の芝浜銀之助―通称銀ちゃん―は白髪のクリクリ頭にキリッとした顔つきの初老の、話のうまい男だった。 完全無欠に見えるがゆえに、最近ネタ切れ気味の“いたずらっ子御用達”の情報屋の山口としてはスキャンダルになるような『あら』を見つけたいのである。一度見つけた情報は真偽がわかるまで機会を窺う。それが山口のやり方だ。 そして、機会はやって来た。 それは防災訓練のため、青空映える校庭で全校集会が行われた時だった。 突如校舎の後ろから青い戦闘機が校長目掛けて滑り落ちてきた。 校長や彼のそばにいた連中の命に別条はなかった。 山口は彼の頭を見た―不自然にずれてない。 がっかりしたように思われたが、すぐに目が鋭い光を放った。 視線の先には禿頭を押さえておろおろする教頭の姿。 戦闘機の機首には黒い毛の塊がちょこんと乗っていた 完 |
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