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今日、ある繁華街で火事があった。近くに電話ボックスがあったので、携帯の存在を忘れて僕はそこに入った。
パッ、ポッ、パッ。 僕は119番を押したつもりだった。 しかし、出て来たのは懐かしいけどどこか奇妙な声だった。 「ジルバ、ねえジルバなの?」 僕はその声を忘れた筈なのに、その声の主を呼んでしまった。 「しあら、しあらなのか!?」 「ええ、そうよ!あなたの恋人の、磐田しあらよ!」 聡明ながらも悲しさを秘めた声はそう叫んだ。 しあら-確かに彼女は僕の恋人だ。でも、彼女は2年前に、今回のような火事に巻き込まれて死んだ。あの時僕らがもっと早く駆け付けていれば- 「君は、死んだはずだろ…?」 僕は力が抜けたように尋ねた。 「ええ、確かに死んだわ。今は霊界からこの電話をかけているの。」 僕は聞いてはいけないことを聞いてしまった。 「霊界ってどんな感じ?」 「行けば分かるわよ」 その声とともに受話器から手が伸びた。 僕は慌てて電話ボックスから出た。手は追って来る。 「あたしに会いたくないの?」 手はおどろおどろしいほど干からびているのに、声は美しく悲しげだった 「僕はまだ死ねないよ!」 僕はとにかく走った。気がついたら目の前にはKEEP OUTのテープが何重にも存在していた。 「遅いぞジルバ。」 この声はすぐにわかった。僕の弟のジャンだ。近くからはサイレンも聞こえる。 手もいつの間にかこなくなっていた。 僕らは取りあえず消防隊員の手伝いをした。 |
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