実を言うと、葬式ネタやろうとしてしくじったことがあります。
今回はちょいスプラッタ。
今日は丸山伸子の告別式だ。黒い服の人々が、悲しそうに揺れている。その中に、場違いな一人の白いロリータガールがいた。奈は浮元志穂。彼女は遺影の人物に生前殺された。
参列者達は遺影の人物に対し、「いい子だったのに」とか、「あの可愛い子が」ともらしてくる。クラスメイトもほぼ全員見かけた。志穂はそいつら全員殺したくなった。
でも、そんな気持ちは顔には表さなかった。その代わり、にやりと笑って、棺のあるところへ向かった。
遺族の最後の対面を迎えようとしたその時、棺のふたがバーンと垂直にぶっ飛んだ。当然遺族は腰を抜かすわ、周りはパニくるわで、その場にいた斎場の職員まで慌てふためいた。
「の、のぶちゃん!?」母親は、腰が抜けた状態で後ずさりした。
「わたしはねえ、丸山伸子じゃないの。おばさん。浮元志穂って言うの。」丸山伸子の死体―浮元志穂は、起き上がってこう言った。
「あんた転校したはずじゃ!?」
「何でここにいるんだ!?」
「殺されたのよ!このXXXXにねえ!!」そういうと、志穂は伸子の遺影を引きずり倒した。伸子の母親は、狂ったような叫び声を上げるとそのまま気絶した。
「ちょっ、今ちゃん怯えてるじゃない!!」そう怒鳴り上げたのは、伸子の仲間、津田前乃だった。今子は確かに泣いていた。
「ふんっ、泣きたいのはこっちだよ、メス豚。」そう言うと、志穂は献花をめちゃくちゃに引き抜いたり、花びらをむしりとったりした。
「あら、おなかすいちゃったわ。ねえ、誰かお菓子頂戴。」
一同はシーンとなった。
「ないのね。じゃあこのメス豚でもいただくことにするわ。」
そういうと、志穂は、前乃の手を引っ張っていき、そこでキスするように見せかけて、ガーッと頭にかぶりついた。
あまりにもグロテスクな光景に、斎場は先ほどの志穂のお披露目以上にパニックになり、参列者らは外へ飛び出したり、狂ったように笑ったり、腰を抜かしたり、110番や119番を押したりした。
前乃を完全に食い尽くすと、志穂はもう一言付け加えた。
「おいしかったわ。もうここに用はないわ。」
そう言うと、彼女は丸山を元に戻した。
一同がほっとのしたのもつかの間、そこら辺にあった蝋燭が、めちゃくちゃにかつばらばらになった献花や、椅子の上に落ちてきた。とたんに、遺影などにも燃え移った。
参列者はいっせいに逃げ出し、職員は非常口案内とかにあわてていた。
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ピーポーピーポー…。ウーウーウーウー。ファンファンファンファン…。バタバタバタバタ…。
火災は、救急車や消防車、パトカーだけでなく消防用のヘリコプターまで来る異例の事態に発展した。されど不思議といってはなんだが、死者は出なかった。
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