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死にネタ連作はこれでおしまい。といっても冒頭からこんなことを言ってはいけないのだが。


11月27日、午前10時、ブロードキャストTVの朝のニュース番組『モーニングスター』制作部。

確認のためにそのライブ映像を見たディレクター刑部は首をかしげた。2曲目と3曲目の間の音声に、ラジオのような妙なノイズが入ってたのだ。
機材は問題なかったし、スタッフの方にも問題はなかった。(その証拠に、他のパートは全く問題がないのだ)
そのノイズの部分は、本来はこのライブの花形である、今をときめくトランス歌手・野村 蓮による曲紹介のMCが入るはずだったのである。


「皆さん、本日は来てくださって、本当にありがとうございます。ホントに嬉しいです☆はい♪
ではでは、谷本貴義さんの『Calling you』をトランス風にアレンジして、カバーさせていただきます。」

こんな感じに。

それが先ほどの映像では、MCだけでなく、周りの音声までも聞こえず、なぜかノイズだけでしかもこの場にいないはずの人間の声がしたのである。
「……さ、……さかもと…………い…ま……こ……っ…どこ…い……った」
溶けて消えてしまいそうな声が、ノイズの中から現れた。

1度目に見たときは、スタッフはみな耳を疑ったが、何度聞いても聞こえたときはみな凍りついた。

と、その時、一本の電話が入った。蓮の所属劇団『劇団フィラデルフィア』の代表・種田李沙からだった。
「こないだのうちの所属俳優のライブの件なんですが、調査に立ち会ってもらえないでしょうか。」
刑部はきょとんとした。このノイズが聞こえるのは我々だけではないんだと。

種田は、ワインレッドのベルベット素材のボレロに、黒のワンピースとアイボリーのセーターのレイヤード、そして髪は短いながらもおしゃれに整えたいでたちで、ブロードキャストTVのエントランスに入った。
その後ろから、2人のよく似た顔をした少女がやってきた。1人はピンクの長髪を変な風に縛っていて、ファー付きのベージュのコートにコートに、赤黒のチェックのスカート、黒のブーツを履いていた。もう1人はおかっぱ風の黒髪に、デニム素材の上着にアイボリーのセーターを着て、黒の長いアコーディオンスカートとモノクロのスニーカーをはいていた。
種田は自己紹介をしたあと、刑部にピンクの髪の方を紹介した。
「はじめまして。野村蓮と申します。」
ライブのときのようにはじけた感じではなく、髪を染めていることを気にしなければ、礼儀正しい淑女という感じだった。
黒髪の少女は、自分から自己紹介をした。
「はじめまして。三枝美亜と申します。ボランティアで、霊感探偵をやっています。」
刑部は霊感探偵という職業にぴんと来なかった。


「………では、我々はまずどうすれば。」
「すいませんが、とりあえず、当時のスタッフとともに、現場へ向かってもらえないでしょうか。」

例のライブ会場『CLUB ROSSO』はラジオ局もよく使い、ガードマン完備でかつチェックも厳しいし、非合法アイテムの持込が開店から12年間一度もなかったというまさに日本一安全なクラブといわれていた。
あの時、刑部たち『モーニングスター』取材クルーはライブ会場の端にいた。クラブの中は熱狂とシンセサイザーと蓮の歌声に満ちていた。ノイズが入るなんて夢にも思わなかった。

取材クルー、種田、蓮、そして『CLUB ROSSO』の経営者立会いのもと、美亜は交霊をはじめた。
とたんに電気の通っていないはずのスピーカーからあの声が響き、モニターが勝手にセーラー服の少女の姿を砂嵐とともに映し出した。
「あなたは、だあれ?」
スピーカーが揺れた。モニターの中の少女はおびえた表情を見せた。
「ごめんなさい、怖がらせるつもりはなかったの。私は貴方のためになることをしたいの。私は三枝美亜。霊感探偵よ。あなたは?」
「……う…き…ザザザザッ……も…………ズザァー……し……ほっ…ズージィーザザザザザ」
「しほちゃんっていうの。よろしくね。ところできくけど、どうして貴方はこないだ蓮ちゃんのライブに無賃でやってきたの?」

「わたし…ライブ‥ビィーッ…………じゃ、ま…する……つもりは…………なかったの…」
そう、と美亜が一言入れた。
「わたし……ずっと……こ……ここに、いるの……あの日…………キィーン……私を殺した奴が、私の屍の上で……踊っていたのよ」
声がいきなり低くなった。
「これは特ダネになりそうだなあ。」
刑部がつぶやいた。
「うかつに特ダネなんかにしたら、貴方どころかテレビ局全体に被害が及ぶかもしれないじゃない。」
美亜に突っ込まれた。
「ねえ、殺された状況とかわかる?いやだったら無理して言わなくていいけど。」
とたんにスピーカーのハウリングが激しくなり、モニターのノイズが全くなくなり、一部のスピーカーが倒れてしまった。
「阪本今子の××が仲間とともにアタシをイたブッて、あーア死ンじャッたって私をここのユカにウめたんだヨォ!!あの女、私をガキのときからいたぶりやがって!!」
されど美亜は冷静さを欠かさなかった。
「その死体、どこにある?」

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